恐怖症になりやすい人

家族や親しい人が恐怖症を持つ場合、その人に対して周囲はどう接していけばよいのでしょうか。これも、恐怖症の種類によって対応はかなり違ってきます。たとえば、尖端恐怖症や高所恐怖症など、特定のものに恐怖を感じる場合は、できるだけ恐怖を感じるような事態にならないようにサポートし、症状が現れたときは理解を示すようにすることが大切です。家族という信頼される立場の人に理解されることで、本人はかなり安心感を覚えることができます。

難しいのは、対人恐怖症などの、人に対する恐怖をもつ場合です。こういったケースでは、家族であっても本人にとっては緊張する対象である場合も多く、相談することができず、家族がなかなか気付かないこともあります。外では人と接する恐怖や緊張を感じながら生活し、家に帰っても家族に対人恐怖症だと気づかれないように振る舞ってクタクタになっているケースも少なくありません。ただし、気が付かない場合は家族にとっても接し方を考える以前の問題。気が付いていたり、相談を受けた場合の対処法が悩ましいところです。励ますべきなのか、同情するべきなのか、突き放すべきなのか、対人恐怖症についての知識がないとどうしてよいかわかりませんし、間違った対応によって症状が悪化してしまうことも考えられます。

家族が対人恐怖症である場合には、その恐怖や症状に理解を示しつつ、普通に接してやることが大切です。腫れ物を扱うようにビクビクしてみたり、その件に関して叱りつけたり、無理に通院を勧めたりするのはNG。家族としてはもどかしく感じたりイライラしたりすることもあるかもしれませんが、一番つらくて焦っているのは本人です。症状が改善するまで、気長にサポートを行うことが、家族としてやるべきこと。こういった恐怖症を持つ人はどうしても不安が多く、イライラしたり落ち込んだりしがちなので、出来るだけプラス思考になれるような楽しい話題をもちかけるようにしましょう。家族と自然に接することができるようになると、徐々に他人ともコミュニケーションが取れるようになることもあります。家族のサポートは、そういった意味でもとても大切です。

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