恐怖症になりやすい人

恐怖症というのは、ほとんどが後天的なものだと言われています。何らかの体験がきっかけで、その対象に過剰な恐怖を感じるようになり、それが恐怖症につながるのです。しかし、同じ体験をしてもすべての人が恐怖症になるわけではありません。そこには、恐怖症になりやすい性格が影響していると言われています。

恐怖症になりやすい性格の特徴としては、「神経質」「マイナス思考」「完璧主義」「思い込みが激しい」などがあげられます。こうして羅列するとマイナスな要因ばかりのように思われるかもしれませんが、これらの性格は決して珍しいものではなく、キッチリした真面目な人というのは多くの場合これに当てはまります。キッチリしていて真面目というのは、場合によってはとても良い性質ですし、勤勉で頑張り屋な正確につながりますので、決して人としてマイナスな要因というわけではありません。しかし、恐怖症を発症する可能性という点においては大雑把で適当な人に比べてどうしても高くなってしまうのです。

たとえば、失恋した時に、神経質な人は自分のすべてを否定されたような感覚になり、それ以降すべての人に対して緊張しながら接するようになってしまうことがあります。これは対人恐怖症第一歩であり、性格がその発症に関係している例といえるでしょう。この場合でも、失恋した時に自己否定をしないポジティブな人であれば、他の人にまで緊張するようにはならないからです。もちろんその失恋のダメージの大きさなどにもよりますので、すべての原因が性格にあるわけではありませんが、ある程度の関連性は否めません。

とはいえ、自分が神経質でマイナス思考だから恐怖症になりやすいと萎縮してしまう必要はありません。それこそがマイナス思考であり、こうした性格の人すべてが恐怖症を持っているわけではないので安心してください。何かの体験が恐怖症になるには、その時の心理状態や、もともとの性格、その体験に対する免疫や事前の心の準備など、さまざまな要因が重なっており、実際に体験が恐怖症になるというのは交通事故に合うようなものです。過剰に考えることなく、恐怖症に対処するときに要素の一つとしてとらえるようにしてみましょう。

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