さまざまな恐怖症

恐怖症にはさまざまな種類があって、その種類によって恐怖の対象も現れる症状も異なります。原因や経過、治療法などもかなり異なってきますので、恐怖症というだけでひとくくりにせず、それぞれの症状に応じた対応や治療を行うことが大切です。実際には恐怖症の種類は無数にあるのですが、ここでは悩んでいる人が多いとされる恐怖症についていくつかご紹介します。

高所恐怖症

落ちたらどうしよう、という想像から恐怖感が膨れ上がってくるのが高所恐怖症です。そのため、落ちることをイメージしやすい場所で恐怖を感じることが多く、克服のためには少しずつ高さに慣らしていくことが必要です。

閉所恐怖症

密封された狭い空間や、出口のない場所などで恐怖を感じるのが閉所恐怖症です。動悸や発汗だけではなく、パニック症状を起こしたり気を失ったりと、比較的激しい症状を起こす人が多く、社会生活上かなり支障をきたすため場合によっては治療が必要になります。

対人恐怖症

人と接するときに過剰に緊張することから、人と会うこと自体に恐怖を感じるようになる恐怖症です。ひどくなると、誰にも会わないように外出せずに引きこもってしまうこともあるので、状態が改善するようには早めに対策することが必要です。

尖端恐怖症

削った鉛筆や裁縫用の針など、尖ったものに極端に恐怖を感じる恐怖症です。尖った先端が、自分のほうに迫って来るような感覚から、強い圧迫感を感じてしまいます。場合によっては、街中で尖ったものを見かけるのが嫌で、外出を避ける人もいます。

視線恐怖症

外出先などで、「みんなが私を見ている」という意識に囚われてストレスを感じるタイプの恐怖症で、対人恐怖症のひとつです。外出するだけでもかなり視線を意識してしまうので、徐々に自宅にこもってしまう傾向にあります。

広場恐怖症

人が多く集まった場所や、簡単には逃げられなさそうなところに恐怖を感じてしまいます。電車の中や込み合った店舗の中などで恐怖を感じ、人によってはパニック障害を起こすことがあるので注意が必要です。

男性恐怖症

過去のトラウマなどが原因で男性全般が苦手になる恐怖症で、大半が女性ですが、稀に男性がなることもあります。より男っぽい男性に強い恐怖を感じるのも特徴です。

女性恐怖症

女性全般に恐怖を感じる恐怖症で、多くの場合男性が悩まされます。女性と目を合わすこともできなかったり、話ができなかったり、触れることができなかったりと、人によって症状はさまざまです。

歯科恐怖症

歯医者での治療を極端に怖がる恐怖症です。怖いからといって虫歯を放置した結果、さらに痛みが増したり治療が長引くことになるので、早めに対処することが必要です。

暗所恐怖症

暗闇に恐怖を感じる暗所恐怖症では、「怖い」と思うだけでなく、体がすくんでしまったり、大量の汗が出たりパニックを起こしたりといった症状があります。徐々に暗闇に慣れていくことで改善することもあります。

嘔吐恐怖症

嘔吐を恐れるあまり、食事がきちんと食べられなかったり、常に吐き気を我慢するような状態で食事をするといった人は、嘔吐恐怖症かもしれません。食べても吐かない、といったことを体に刷り込ませて、徐々に安心感を与えることが大切です。

潔癖症

単なるきれい好きではなく、手に着いたバイ菌などが気になって、何度も手を洗ってしまうといった強迫神経症の一種です。電車のつり革など、誰が触ったかわからないものには、基本的に触ることができません。

単一恐怖症

蛇や虫、高所、暗闇、雷など、何か一つのものに過剰な恐怖心をもつのが単一恐怖症です。過去のトラウマによるものが多く、恐怖を感じる対象によって治療の方法も異なります。

飛行機恐怖症

飛行機に乗ることに極端な恐怖心を抱きます。乗物恐怖症のひとつで、飛行機乗ると動悸やめまいなどが起こり、ぐったりしてしまいます。飛行機に乗る必要がなければ避けていれば問題ありません。

醜形恐怖症

容姿に強いコンプレックスをもち、人に会うのを避けて家にこもってしまったり、何度整形しても満足できず整形を繰り返したりするのが醜形恐怖症です。早めに対応して整形の繰り返しなどを止めることが大切です。

道化恐怖症

いわゆるピエロを対象とする単一恐怖症です。白く塗った顔が表情を覆ってしまい、赤く描かれた口に偽物の笑いを浮かべるピエロに恐怖を感じる人は意外と多く、世界中に道化恐怖症の人がいます。

会食恐怖症

他人と一緒に食事をすることに極端な恐怖を抱き、楽しく食事ができないばかりか、喉を通らなかったり吐き気を感じることもあります。社会生活に支障をきたすことの多い恐怖症です。

赤面恐怖症

赤面症から併発することが多く、また顔が赤くなるのではという意識で動悸やめまい、パニックを起こしたりする恐怖症です。赤面しなくなったり、赤面症が気にならなくなれば、自然と症状もおさまります。

密集恐怖症

何かが密集した状態に恐怖を抱くタイプの恐怖症です。人によって恐怖の対象は異なり、粒の状態や大きさなども違い、大人になってから急に発症する場合もあります。

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