密集恐怖症

密集恐怖症とは、何かが密集した状態で集まっている状態に恐怖感を感じる恐怖症です。どんなものの密集が怖いのかは、人によって違いがあって、細かい泡のようなものの密集が苦手な人もいれば、人が密集している状態を俯瞰的に見るのが怖いという人もいます。蜂の巣や魚の卵、ご飯粒なども密集恐怖症の人に苦手とされることが多いものの例として挙げられます。一方、ホットケーキを焼くときの粒々など、それほど密集しているわけでなくても、同じような形状のものが一定の場所に集まっている状態に恐怖感を感じることもあるようです。しかも、この密集恐怖症は、子どもの頃のトラウマなどももちろん原因としてあるのですが、大人になってからきっかけとなる経験をすることで発症することもある恐怖症です。昨日までそんな恐怖症があるなんて全然知らなかったのに、一枚の写真をきっかけに突然密集したものが怖くなるのです。多くの場合、それは密集した虫だったり、卵が孵化する場面だったり、比較的「気持ちの悪い」写真であり、その後密集したものを見るとそのとき見た写真を連想して恐怖感がよみがえるという人が多いようです。恐怖感を感じるだけではなく、動悸や発汗があったり、場合によっては本当に嘔吐したりする人もいるほどなので、症状としてはかなり辛いものではないでしょうか。

密集恐怖症の場合、克服するにはもう慣れるしかありません。トラウマとなっているビジュアルそのものは、自分で注意することで見ずに過ごすこともできるでしょうが、それを連想する粒状の物すべてを生活から排除するわけにはいきません。もともと最初に見た写真でトラウマになり、それを連想する粒状のものを苦手としていたのが、徐々に恐怖を感じるものの範囲が広がって、苦手なものが多くなっていってしまうのも困ったところです。実際のところ、密集恐怖症にはあまり有効な治療がなくて、粒々を見ないようにするのが一番だと言われています。できるだけ見ないようにして、粒々の恐怖感やトラウマとなったビジュアルが頭の中で薄れてくるのを待ちましょう。

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