視線恐怖症

視線恐怖症とは、外出先などで他人からの視線を過剰に意識して恐怖を感じてしまう恐怖症で、対人恐怖症の一種にあたります。人から見られることに恐怖を感じるというよりは、人から見られているのではないかと自分が気にしてしまうのです。この場合、本当に見られているかどうかはあまり関係なくて、電車の中など人が多いところではみんなが自分のことを見ているような気になってしまいます。しかも、視線恐怖症の場合、みんなが自分を見ているのは、自分の容姿に問題があるせいだと考えがちです。自分に自信が持てず、どうしてもネガティブに考えてしまうので、周囲の人がみんな悪意を持って自分をみているような気になって、ストレスを感じてしまうのです。これは知り合いと一緒にいるときだけではなく、知らない人ばかりの街中や電車の中、お店の中などでも感じるため、家を出てから帰り着くまで、常に人の視線を気にしながら行動してしまいます。そのため、一人で出かけて誰とも話すことなく帰り着いてもクタクタになるなど、対人恐怖症の中でもかなり辛い症状だと言えるかもしれません。

この場合も、「誰も見ていない、見ていない」などと自分に言い聞かせながら電車に乗っていても、それは逆に自分で視線を意識してしまうことになるのであまり状況が改善するとは思えません。むしろ、みんなに見られてもいいじゃないかという開き直りが大切で、見られているということに抵抗なく顔を上げてみると、実はみんなが自分を見ているわけではないということに気づいたりするのです。とはいえ、視線恐怖症などの対人恐怖症は、簡単に治るものではありません。日常生活に不便を感じるようならば専門の医師に相談するのも一つの方法。病院ではそうした不安症状や動悸などを抑える薬を処方してもらえるので、外出がかなり楽になります。薬などを上手く利用しながらカウンセリングを進め、時間をかけて状態を改善していくようにするといいでしょう。

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